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文献概要
筋病理組織図譜・6
末梢神経損傷(切断)
著者: 桜井実1 黒沢大陸1
所属機関: 1東北大整形外科
ページ範囲:P.458 - P.458
文献購入ページに移動H-E染色で内部構造の変化は認め難いが,コハク酸脱水素酵素染色で特異な円形の酵素活性脱落が発見される(第3,4図).これはすべての症例に出現する訳ではないがtarget fiberと称せられdenervationの際出現する特有の変化である.この症例では赤筋線維にのみ変化が認められる.注意深くH-E標本をみると第2図の中央のような変化が辛うじて捉えられることもある.第5図のようにphosphorylase活性も欠如していることからtargetの内部はsarcoplasmではなくmyofibrilの変性したものと思われる.脱神経により一般に酵素活性は低下し,さらに萎縮が進行する.第6図は腓骨神経切断後4ヵ月の前脛骨筋で,筋線維は細くなりところどころ食細胞が古い萎縮線維を取り巻き,間質の結合織が増殖してきている.
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