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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科7巻6号

1972年06月発行

文献概要

臨床経験

骨切り術による大腿骨頭壊死の治療

著者: 上野良三1 船内正恒1 原田稔1 松本直彦1 長鶴義隆1

所属機関: 1奈良医科大学整形外科学教室

ページ範囲:P.470 - P.476

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いとぐち
 大腿骨頭無腐性壊死は,2次性のものを除いて中年の男性に好発し,その半数近くは両側性である。本疾患は,両側に対する治療法の選択や,いかにして治療期間を短縮するかといつた多くの困難な問題を残している.
 老齢の患者に対する人工関節置換術あるいは,人工骨頭置換術の優秀性に関して異論はないが,若年者に対して人工骨頭置換術の適用を拡大することには問題があろう.一方,骨頭壊死に股関節固定術を行なうことは,技術的に困難であるばかりでなく,反対側股関節の可動性を保存しうる可能性がなければならない.大腿骨骨切り術は,術後一定の免荷期間を必要とするが,入院期間が短く,機能的予後が良好で,Merle d'Aubignéの報告以来,広く用いられている.年齢的な制限もなく適用となる症例が多い.その他,壊死組織の切除,骨移植を提唱するものもある.青,壮年で可動性を保存した治療が必要な場合には骨切り術が考慮されるが,術式や適用などについて意見の一致をみていない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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