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論述
一次性変形性股関節症について—特にそのレ線分類に関して
著者: 有冨寛1
所属機関: 1北里大学医学部整形外科
ページ範囲:P.696 - P.706
文献購入ページに移動股関節症は古来から知られていた疾患の一つで,Huhter(1759)によつてはじめて科学的に記載されたといわれる.そのうち一次性あるいは原発性変形性股関節症の明確なる臨床診断基準の設定は,過去幾多の研究にもかかわらず,なお困難であり,したがつてその病因も不明で治療法も確立されているわけではない.
よつて現在の時点では一次性変形性股関節症を定義するとするならば,発熱,貧血などの全身症状を伴なわず股関節の疼痛,運動制限などの臨床症状があり,特有なレ線所見を認めるが,過去および現在に何ら原因と思われる疾患あるいは外傷などを見い出さない股関節症とせざるを得ない.この疾患に対し過去数々の治療法・手術が行なわれて来たが必ずしも常に満足すべき結果のみではなかつた.近年治療法特に手術法の種類が増加するとともに,その病因が不明であるが故に,治療法特に手術法の選択をより正確に行なうためにもこの疾患の臨床的,レ線的,病理的な再検討が必要となつて来た.
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