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臨床経験
Osteitis Pubisについて
著者: 原田寛1 広畑和志1
所属機関: 1神戸大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.766 - P.773
文献購入ページに移動恥骨結合周辺の激痛を主訴とするosteitis pubisに関しては,Elliotson(1827)の記載に始り,Leguer & Rochet(1923)に続いてEdwin Beer(1924)が最初の英文報告を行なつた.以来,本疾患は主として泌尿器科領域において報告され,特にretropubic prostatectomy(Millin 1949)の紹介以後,急激に増加した.しかしながら,Kleinberg(1942)はこれと全く同様の症候のある女性例を報告し,産婦人科領域においてもPearlman(1952)以来,かなり報告されており,正常分娩の後にも起こり得る合併症と考えられる.更に,明らかな外傷由来の症例や,全く原因不明のものなどを含めて,今日では一つの独立疾患として扱われるようになつた.
一方,本疾患の病因に関しては,炎症説,外傷説,血管運動神経障害説,その他の仮説があり,しかもこれらの2つ以上が同時に要因をなしたと思われる症例が多い.本疾患が比較的稀であること,ならびに自然治癒の傾向が強いことなどから,病理学的にも未だ決論が得られていない.本疾患の定義もまた曖昧な点がある.これらのことから当然治療法に関しても決定的なものが見られない.
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