icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科7巻9号

1972年09月発行

文献概要

臨床経験

Osteitis Pubisについて

著者: 原田寛1 広畑和志1

所属機関: 1神戸大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.766 - P.773

文献購入ページに移動
はじめに
 恥骨結合周辺の激痛を主訴とするosteitis pubisに関しては,Elliotson(1827)の記載に始り,Leguer & Rochet(1923)に続いてEdwin Beer(1924)が最初の英文報告を行なつた.以来,本疾患は主として泌尿器科領域において報告され,特にretropubic prostatectomy(Millin 1949)の紹介以後,急激に増加した.しかしながら,Kleinberg(1942)はこれと全く同様の症候のある女性例を報告し,産婦人科領域においてもPearlman(1952)以来,かなり報告されており,正常分娩の後にも起こり得る合併症と考えられる.更に,明らかな外傷由来の症例や,全く原因不明のものなどを含めて,今日では一つの独立疾患として扱われるようになつた.
 一方,本疾患の病因に関しては,炎症説,外傷説,血管運動神経障害説,その他の仮説があり,しかもこれらの2つ以上が同時に要因をなしたと思われる症例が多い.本疾患が比較的稀であること,ならびに自然治癒の傾向が強いことなどから,病理学的にも未だ決論が得られていない.本疾患の定義もまた曖昧な点がある.これらのことから当然治療法に関しても決定的なものが見られない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら