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論述
膝内障に対するPes Anserinus移行術の経験
著者: 伊藤恵康1 小山明1 高橋惇1 長沢正彦1 久保井二郎1 宮本建2
所属機関: 1静岡赤十字病院整形外科 2佐野厚生病院整形外科
ページ範囲:P.36 - P.42
文献購入ページに移動膝関節は,屈伸運動に加えてscrew-home movementといわれる回旋運動が行われる事により,動的,静的な安定性を得ている事は衆知の事実である.しかしながら,従来より行われている手術によつて,一度靱帯損傷を受けた膝関節に対し,十分な可動域を持ちつつ,十分な安定性を与える事は困難な場合も少なくなかつた.この原因の一つには,前後左右への安定性に加えて,十分なscrew-home movementの再獲得の困難さが挙げられよう.
最近われわれは,Slocumの回旋不安定性(Rotatory instability19))の概念と,それに対する鵞足移行術(Pes anserinus transplantation,以下PATと略記する)を知り,興味を持つたので,症例を選び,7例に手術を行い,いささかの知見を得たので報告する.
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