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論述
臼蓋形成不全による股関節症の治療法としての臼蓋形成術—特に筋移行術との併用について—伊藤
著者: 山本潔1 伊藤鉄夫1 田中清介1 長井淳1 森英吾2
所属機関: 1京都大学医学部整形外科学教室 2京都市立病院整形外科
ページ範囲:P.803 - P.815
文献購入ページに移動臼蓋形成不全に起因する股関節症に対する観血的治療法としては大腿骨および骨盤骨切り術,臼蓋形成術,筋解離術さらにカップ関節形成術,全人工関節置換術など多くの方法が報告され,それぞれに優れた成績が得られている.
これらの治療法のうち,臼蓋形成術の歴史は最も古く,19世紀末のKonig(1891)の報告を嚆矢とする.その後,Albee(1915),Spitzy(1921),Lance(1925),Schede(1933)らによつて種々の術式が考案されて現在に至つている.その間,本邦においても神中,片山,河邨,水野,伊藤(鉄),飯野各教授らの研究によつて先天股脱および2次性股関節症の治療法として確立されたものとなつた.しかし,臼蓋形成術は全ての症例に応用することはむずかしく,従来の成績は必ずしも予期したような良成績を挙げることはできず,これに反対する人もまた少なくない.
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