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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科8巻10号

1973年10月発行

文献概要

シンポジウム 移植皮膚の生態

移植皮膚のメラニン色素の動態

著者: 塚田貞夫1 赤羽紀子1

所属機関: 1金沢大学医学部皮膚科学教室形成外科診療班

ページ範囲:P.850 - P.857

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はじめに
 有色人種において,遊離植皮術後,移植された皮膚に色素沈着が発生する1〜4).この色素沈着はおよそ1.5〜2年の経過で消褪する1),しかし,なかにはかなり長期間(3年以上)にわたり存続するものもみられ,整容的に不満足な結果を与えている.従つて,移植皮膚とその周囲の皮膚との間において,良好なcolor matchならびにtexture matchを得ることが重要な問題である.
 臨床的に人の皮膚の色素沈着は,主にケラチノサイトに含まれるメラニン色素に関係することは一般に知られている5).このメラニン色素はメラノサイトと呼ばれる特別な分泌細胞において合成される.メラニンによる色素沈着の発生機序に関して,Fitzpatrickら5〜7)はメラノサイトとそれを囲むケラチノサイトからなる細胞群を一つの共同体とみなし,これを構造的・機能的単位(epidermal melanin unit)として扱い,次の生物学的過程を想定した.(1)melanosomeの生成,(2)melanosomeのメラニン化,(3)メラノサイトからケラチノサイトへのmetanosomeの移行,(4)melanosomeの崩壊の4つの過程である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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