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四肢腫瘍—これはなんでしょう(23)
著者: 骨腫瘍症例検討会 鳥山貞宜1
所属機関: 1日大整形
ページ範囲:P.917 - P.921
文献購入ページに移動A 症例は31歳の女性で家庭の主婦,主訴は右前腕痛です.1971年10月末に通りすがりに人にぶつかつた時,右前腕痛が起り,湿布で間もなく痛みは消失しました.翌11月7日に洋傘を広げようと力を入れた瞬間にボキッという感じがして,急に右前腕に疼痛をきたし,翌日某医を訪れ,右前腕骨腫瘍を疑われて11月9日当科に紹介されてまいりました.受診時右前腕は外見上とくに異常なく,腫脹,発赤,静脈怒脹等はみられませんが,前腕橈側中央よりやや遠位に圧痛があり,手関節運動でも同部に軽い疹痛を訴えておりました.X線像から骨腫瘍とくに良性骨腫瘍が疑われ,翌年1月4日入院致しました.
家族歴・既往歴に特記すべきことはなく,入院時所見では,全身状態に異常なく,局所所見では右前腕遠位1/3の僥側がやや膨瘤し,軽度の圧痛をみますが,発赤・静脈怒脹・熱感等はありませんでした.右肘および手関節運動は正常で,前腕の回旋運動はやや制限されていました.
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