icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科8巻11号

1973年11月発行

文献概要

臨床経験

両側股関節に対する全置換術

著者: 渡辺良1 赤坂靖三1 琴浦良彦1 蒲公洋1

所属機関: 1岐阜市民病院整形外科

ページ範囲:P.944 - P.948

文献購入ページに移動
はじめに
  骨切り術の適応とならない高度の両側性変形性股関節症に対する手術的治療法としてはSmith-Petersón,Aufrancらによるcup arthroplastyをはじめMilch,Batchelor,Hackenbrochなどによるrescetion-angulation-osteotomy,股関節固定術などが知られているが,resection-angulation-osteotomyにおいては脚の著るしい短縮を招く欠点があり,股関節固定術は一側のみにしか行なうことができないばかりでなく,強直脚が必ずしも支持脚とならないため,反対側股関節の免荷が行なわれにくいという欠点を持つている.cup arthroplastyはAufranc1)らによれば,除痛効果のみならず良好な運動性,歩行能力をも獲得できる優れた治療法であるが,長期間にわたる免荷と,慎重なリハビリテーション・プログラムが必要であり,術後のプログラムが適切に行なわれなければ不満足な結果に終わる可能性が大であるといわれる.
 近年,人工股関節による全置換術が行なわれるようになつて,本法が両側例に対する治療手段としても優れた方法であることが認識されてきた5).しかしながら全置換術の歴史が十年余に過ぎないことから,効果の永続性については他の治療法と比較することはできないが,今後慎重に症例を選んで手術を行なうことによつて,優れた成績をあげうるものと期待される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら