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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科8巻12号

1973年12月発行

文献概要

視座

関節生物学の進歩

著者: 伊藤鉄夫1

所属機関: 1京都大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.981 - P.981

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 近年,関節のbiologyの研究が基礎医学や工学の方面から強力に進められている.摩擦の研究の歴史は工学の分野では非常に古く,ルネッサンスに始るが,生物の関節摩擦の研究の歴史は浅く,重要な研究の多くは1960年以降に発表されている.研究はようやく始つたばかりである.
 関節軟骨・滑液膜・滑液からなる関節の潤滑機構については今までにhydrodynamic lubrication,boundary L.,weeping L.,elastohydrodynamic L.などについて論ぜられているが,最近またboosted lubrication説が提唱された,生物の関節運動においては,荷重面に薄い液層(10-4-10-3cm)が形成されて潤滑作用を行うのであるが,潤滑液としてはヒアルロン酸分子団と蛋白分子団の複合体が重要な役割を果している.ムコ多糖であるヒアルロン酸はThixotropyなる特性を有することで有名である.この物質は静置状態では多数の分子が結合して高い粘性を示すが,攪拌すると直ちに個個の分子に分散して,粘性が低下する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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