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新しい水溶性造影剤Meglumine Iocarmate(Dimer-X)によるLumbar Myelographyについて
著者: 中川一刀1 鼓敏光1 小田義明1 谷掛駿介1 望月與弘1 早石雅宥1 七川歓次1
所属機関: 1大阪大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.1017 - P.1026
文献購入ページに移動Myelographyは脊椎・脊髄外科における補助診断法として,その欠点を万人が認めつつも,有用性を否定し去ることはできないといえよう.先人の幾多の努力は,理想的な脊髄造影剤—①副作用のない,②完全吸収可能な,③良好な造影能をもつ—の発見に向けられたが,現在なお完全に満足し得る造影剤が開発されたといはいい難い事実も認めざるを得ない.
特に完全吸収可能な水溶性造影剤の開発に力が注がれ,Arnell and Lidström(1931)の発表ののち各種の造影剤とその巧罪が論じられている.近年Campbellら4)はmeglumine iothalamate(Conray-60,Contrix-28)が刺激作用が少なく,腰椎麻酔を必要とせず,腰仙椎部に限定すれば十分に使用できると報告した,その後,多数の臨床例が重ねられるにつれて,多くの研究者からConray-60の副作用が真剣に論じられている2,5).今回新しく開発された水溶性造影剤Dimer-XはConray-60よりも刺激作用が少ないことが確認され,腰仙椎部に限定してではあるがヨーロッパにおいてもっぱら使用されている3,7,13).私たちはその使用経験を得たので,ここに実施手技と造影のコツを中心とし,併せて動物実験を行なつてその刺激性を追求したので報告する.
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