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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科8巻12号

1973年12月発行

文献概要

臨床経験

左大腿部に原発した線維黄色肉腫"Fibroxanthosarcoma(Kempson and Kyriakos)"の1剖検例

著者: 湯本東吉1 市原冏一2 木村平八3 前山巌4 山本吉蔵4 古瀬清夫4

所属機関: 1鳥取大学医学部第一病理学教室 2鳥取大学医学部第二病理学教室 3烏取大学医学部付属病院検査部 4鳥取大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.1029 - P.1036

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緒言
 組織球と線維芽細胞よりなる腫瘍類似の増殖性病変に対して,StoutおよびLattes10)は線維性組織球腫fibrous histiocytomaと総括した.このような増殖性病変は多くの臓器にみとめられている.また,そのみいだされる部位によつて腫瘤が呈する組織像はそれぞれ異つており,幾つかに分類されている2,8).従つて,その分類や診断には多くの問題があることがKempsonら6)によつて指摘されており,なかでも特に悪性腫瘍の判定には慎重でなければならぬとされている.線維性組織球腫の悪性腫瘍に対しては,従来,悪性線維性組織球腫malignant fibrous histiocytoma10)と呼んでいたが,すでにのべたようにfibrous histiocytomaには種々の亜型がみられることから,この名称は不適当である.KempsonおよびKyriakos6)は花むしろ状線維性間質storiform fibrous stromaと異型性の著しい組織球および巨細胞をともなう30例の軟部腫瘍について,その臨床像と病理組織像を総説し,このような症例は肉腫と診断すべきで,線維黄色肉腫fibroxanthosarcomaと呼ぶことを提唱している.GuccianおよびEnzinger4)は類似した腫瘍に対して軟部組織悪性巨細胞腫瘍とも呼んでいる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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