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シンポジウム 乳幼児先天股脱の手術療法
先天股脱における減捻骨切り術
著者: 泉田重雄1
所属機関: 1慶応義熟大学医学部整形外科学数室
ページ範囲:P.148 - P.153
文献購入ページに移動試みにCampbellのOperative Orthopaedicsを繙いてみると減捻骨切り術に関して1976頁から約3頁にわたる記載をみるが,その中には簡単な導入,二三の歴史的条項につづいて『実際的な見地からいえば,大腿が中間位または軽度の外旋位において,股関節の亜脱臼や脱臼をおこす程に頸部前捻が高度であるならば,その前捻は矯正されなければならない…….骨切りの高位や,骨片の固定法などはほとんど問題でない……』と,はなはだ素気ない論述の後にPlatouの転子下骨切り,とCregoの髁上骨切りの記述をみるに過ぎない.先天異常に関するCampbellの記載は他の部分に比較して簡略であるが,高名な手術書の記述としてはなはだ物足りない,とはいえ他の多くの成書の記述も,大同小異であつて,頸部前捻を単に大腿骨上端部の形態異常として把握する限り,楯の一面を論ずるに過ぎないのである.以下頸部前捻の実態,意義およびこれに対処すべき方途について自家見解を述べる.
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