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臨床経験
骨原発性多発脂肪肉腫の1例
著者: 山脇慎也1 後藤守1 石垣一之2
所属機関: 1国立札幌病院北海道がんセンター整形外科 2北海道大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.257 - P.266
文献購入ページに移動軟部組織の脂肪肉腫は,稀なものではなく多数の症例が報告され,臨床的にも病理組織学的にもよく研究されている.Shuman(1966)によれば,軟部組織の悪性腫瘍の約20%を占めるという.組織学的にはStaut,EnterlineおよびEnzingerらによって分類された.現在では粘液状脂肪肉腫,分化型脂肪肉腫および多形性脂肪肉腫の3型に分類されている.
一方骨原発の脂肪肉腫は,骨組織が多量の脂肪組織を髄内に有するにもかかわらず稀である.文献的には1931年Stewartの3例以来24例にとどまる.これらは内容を更に吟味すると,その発生部位,病理組織学的診断について不確実な症例もあり,すべてを骨原発の脂肪肉腫とは断定できない.
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