icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科8巻5号

1973年05月発行

文献概要

視座

指屈筋腱断裂に対する治療法の変遷に学ぶ

著者: 田島達也1

所属機関: 1新潟大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.367 - P.367

文献購入ページに移動
 手の外科におけるハイライトの一つであるno man's land内指屈筋腱断裂に対する治療法は今一つの曲りかどにきている.すなわちS. Bunnellが確立したもつとも輝かしい業績である遊離腱移植術が大きな挑戦を受け直接縫合法の成功が大きくクローズアップされつつある.この興味ある問題の治療法の変遷をまず概観してみよう.
 古典的直接縫合のみじめな失敗に挑戦したBunnellは1920年ころからK. Biesalski,L. Mayerらによつて基礎固めされた遊離腱移植術に着目しこれを応用し技術を精密化することによつて画期的な成果を挙げたことは周知のとおりである.しかしこれで問題がすべて解決されたわけではなくJ. Boyesが1950年信頼すべき遠隔成績を発表しているとおり,どんな熟練者によつても優れた成績は70%前後しかえられない.まして神経血管損傷や瘢痕拘縮の合併例などにおける成績は遙かに劣つている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら