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シンポジウム 顔面外傷
顔面骨折の診断と治療
著者: 牧野惟男1 那須耀夫1
所属機関: 1東京医科大学病院・形成外科
ページ範囲:P.407 - P.415
文献購入ページに移動近年自動車数の急激な増加およびその高速化につれて高度の顔面外傷,なかんずく顔面骨折が多くみられるようになつてきた.
自動車交通の最も発達しているところの米国においてBraunstein7)(1957)の報告によれば交通事故の負傷者の72.3%が頭部および顔面外傷を受けており,そのうち7.7%に頭蓋骨折,7.2%に顔面骨折をうけている.また1972年田島5)の報告によれば神奈川交通救急センターの交通事故入院患者の約5%に顔面の骨折を認めており本邦においても交通事故による顔面骨折患者が予想以上に多いことを示している.このことは従来は交通事故による歩行者の負傷者が大部分であつたのが最近の自動車の異常なまでの増加によつて自動車の運転者あるいは乗客の負傷者が増加したためであろうと考えられ社会経済的因子とそれに伴うところの傷害の発生頻度とが密接な関係を持つていることを示すものと考えられ興味深い.
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