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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科8巻6号

1973年06月発行

文献概要

論述

骨折と脂肪塞栓

著者: 猪狩忠1

所属機関: 1岩手医科大学整形外科学教室

ページ範囲:P.450 - P.464

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 体内にある脂質が何かの原因によつて,脂肪滴(fat globule)となり,栓子化し,血管を閉塞せしめる脂肪塞栓(fat embolism)の症候群の存在については,すでに1669年Lower1)の論文で指摘され,以来いろいろの疾患で発生することが知られてきている.すなわち本症は火傷,骨髄炎,糖尿病などの疾患でも発生することが報告されている.
 しかし,外傷に伴つて脂肪塞栓が発生することについてはZenKer(1862)2)の剖検例についての報告が最初のようである.また臨床的に,骨折や軟部組織の損傷に伴つて脂肪塞栓の発生することが多いということが判つてきたのは,第一次大戦においてであり,しかも戦傷者においては,脂肪塞栓がしばしば重要な死因をなしていることが認められた(Watson Jones)3)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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