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カンファレンス
四肢腫瘍—これはなんでしょう(20)
著者: 骨腫瘍症例検討会 古屋光太郎
所属機関: 1東京医科歯科大学整形外科
ページ範囲:P.514 - P.516
文献購入ページに移動A 患者は22歳の女性です.昭和36年12歳の頃に右大腿外側皮下に母指頭大の腫瘤のあるのに気付いておりましたが,痛みもないため放置しておりました.昭和38年14歳の頃に腫瘤もピンポン球大になつたため摘出手術を受けました(第1図).この腫瘤は外側広筋内にあり,筋膜とは癒着していないが血管に富み,境界が不鮮明であつたそうです.その後症状は全然なかつたのですが,昭和45年21歳頃からまた同じ部位に,鶏卵大の腫瘤としてふれるようになりました.そして歩行時に軽い跛行も現われてきたため昭和47年1月に当科に入院してまいりました.入院時所見では,全身状態に異常なく,X線所見以外の一般臨床成績はすべて正常でした.局所では,皮膚の色は正常で,血管の怒張や炎症性変化はまつたくありません.腫瘤は前回の手術瘢痕に接した皮下にあり,境界も比較的明瞭で移動性もあり,皮膚や骨との癒着はありません.
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