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脊柱側彎症の成因に関する研究—特に特発性側彎症に対するneuro-humoral approach
著者: 山田憲吾1 山本博司1 中川幸夫1 木下勇1 手束昭胤1 田村大司1 川田尚二1 和田昇1 仲井間憲成1 岸浩1 森浩1
所属機関: 1徳島大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.539 - P.550
文献購入ページに移動我が国の側彎症は半世紀前に考えられていたほど珍らしい疾患ではない.千葉大1)初め我々2)の行なつた最近の野外調査で本症が小中学童の約1%にも発見されたという事実は正に驚きといわねばならない.その上,本症が成長に関係する病気であるという点で,学童身長の近来の加速現象は特に注目さるべきである(第1図).したがつて,我々整形外科医にはこのような現実問題のほかに,将来に対する次のような重要課題が投げかけられていることを思いみる必要がある.
ところで,本症の治療は極めて困難であり,整形外科治療界の癌3)ともみなされている疾患である.この一端には本症の多くがその原因が不明で,対策を講じ難いと言う点にもあるかも知れない.事実,我々の経験も含め従来の統計では側彎症の約80%は原因不明であり,いわゆる特発性側彎症に属せしめられている.したがつて,本症の原因究明に一歩でも近づこうとする努力を惜しむならば,本問題の解決は遷延され,整形外科医として患児の持つ現実のニードに対応できないばかりでなく,お座なりの治療は平均寿命の伸びた今日永くその無責任さを追求されることにもなりかねない.
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