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検査法
整形外科領域におけるScanning Electron Microscopyの応用—Ⅴ.脊椎椎間板
著者: 井上一1
所属機関: 1岡山大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.738 - P.747
文献購入ページに移動脊椎椎間板は,脊椎の連結ばかりでなく,弾性体として脊椎の運動あるいは荷重に対する緩衝体となり重要な役割を果している.その機能構造と変性は,整形外科領域において最も興味深い対象であり,特に,椎間板の機能を考える場合,その立体的な構築が最も重要な課題となるが,これまでに充分検索されたとはいいがたい.
脊椎椎間板は,中心の髄核,それを同心円状に包む線維輪,そしてそれらを上下椎体と画している軟骨板の3つからなつている.髄核はムチン物質に富み,線維輪は主として膠原線維からなる線維軟骨で,軟骨板は硝子軟骨である.これらの3構成部分を走査型電子顕微鏡(以下SEMと略す)下に立体観察するために,著者が試料作製上工夫した点を要約すると,1)脊椎椎間板の水平あるいは垂直切断面を作製する,2)その切断試料を実体顕微鏡下に細析剥離する(ヒヤルロニダーゼ処理によつて基質を消化すると細析し易いことがある),3)切断標本において髄核部分は容易に抜き取ることができるなどである。固定は,グルタールアルデヒドによつているが,固定後あるいは乾燥後において,上記,1),2),3)の方法を試み,実体顕微鏡下で充分試料のチエックをする.試料の乾燥・蒸着は,これまでと同様に行い観察材料とする1).
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