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四肢腫瘍—これはなんでしょう(24)
著者: 金子仁1 骨腫瘍症例検討会
所属機関: 1日本医大老人病研究所
ページ範囲:P.165 - P.168
文献購入ページに移動A 患者は4歳の女児で昭和47年の7月中旬に左の肩甲骨の後方の無痛性腫瘤,母親が気付いて来院しております.同じ生活をしていても父親は全然気付いていないということで,徐々に発症してきたのではないか,と想像しております.地方の先生から紹介されて,われわれの外来に参りました.
Past historyはございませんし,全身状態も良好でblood chemistryにも異常なく,ただ肩甲部が腫れているということだけで,強く押せばもちろんtendernessはありますが臨床症状としては,左肩関節もよく動きますし,腫れ以外に何もないわけです.僅かにlocalのvenous dilatationが軽くみられる程度で,私共最初muscle由来のものかなと思つてレントゲン写真を撮りました.これが当時のレ線写真(第1図)で,このような肩甲骨の広範な破壊像を認めます.そこでEwingかneuroblastomaのmetastasisかということで,biopsyをやりました.これはopenでやりましたが,出血はあまり強くみられませんでした.小指頭大のspecimenを取出して,中検に組織診をお願いしたのですけれども,結果はどうも私共が考えておるものと食い違う結果とはなりましたが,私共はirradiationをfirst choiceに考えていました.
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