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臨床経験
硬膜骨化を伴つた頸椎後縦靱帯骨化症の2剖検例
著者: 武市早苗1 高橋正倫1 井形高明2
所属機関: 1徳島大学医学部第2病理学教室 2小松島赤十字病院整形外科
ページ範囲:P.179 - P.185
文献購入ページに移動脊椎靱帯の石灰化ないし骨化を示す疾患としては,変形性脊椎症,強直性脊椎関節炎1),いわゆるForestier病2〜5)ないしphysiologic vertebral ligamentous calcification6),黄靱帯骨化症7〜10)などが知られている.その他,1960年にいたり月本11)が「脊椎圧迫症候を呈した頸椎椎管内仮骨の剖検例」と題して,後縦靱帯の化骨症例を報告し,さらに1962年に寺山ら12)が「後縦靱帯骨化症」という名称を提唱して以来,本症の報告例数も漸次増加している13〜21).
われわれの2症例は,生前レ線像で,頸椎椎体後面に2重層状の異常石灰化陰影を認め,後縦靱帯骨化症と診断されている.しかも剖検により,2重陰影が後縦靱帯のみでなく同部の脊髄硬膜にも各々別個に仔在する骨化巣によつて形成されることを確認し得たので報告する.
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