icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科9巻3号

1974年03月発行

文献概要

臨床経験

脊髄損傷患者における異所性化骨とAl-P値ならびにシンチグラムについて

著者: 蓮村元1 木下博1 平川寛1 大久保康一2 荒木信3

所属機関: 1中国労災病院整形外科 2東京慈恵会医科大学整形外科学教室 3広島大学原爆医学放射能研究所外科

ページ範囲:P.271 - P.276

文献購入ページに移動
はじめに
 脊髄損傷患者にみられる異所性化骨については1918年DejerineとCeillerがpara-osteoarthropathyとして発表して以来myositisossificans circumscripta neurotica,neurogenic ossifying fibromyositisなど,多くの名称が与えられている.そしてこのような化骨は脊損にかぎらず,多発性硬化症,脊髄のmeningioma,クモ膜炎11),脊髄性小児麻痺2,7,9),破傷風16),熱傷,頭部外傷や脳卒中による片麻痺17),日本脳炎,COガス中毒などにもみられることが報告され,病理組織学的にはこれが,単なる軟部組織の石灰化ではなくて完成した骨であることが知られている.しかしこの発症機転については,まだ充分に解明されていない.
 ところで現在まで異所性化骨と血清Al-P,Ca,Pなど血清成分の関連についての研究は多くなされているが,これら血清成分にあまり変動をみない1,2,3,5,7,8,11,12,16,18)という報告がほとんどで,これは,他の骨形成の旺盛な疾患たとえば,Paget病などにおける所見と趣を異にするように思われる.そこで我々は,脊損患老27名について経時的にAl-P値を計測して検討し,また87mSrによるシソチグラムを行なつたのでその結果についてもあわせて報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら