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脊髄損傷患者における異所性化骨とAl-P値ならびにシンチグラムについて
著者: 蓮村元1 木下博1 平川寛1 大久保康一2 荒木信3
所属機関: 1中国労災病院整形外科 2東京慈恵会医科大学整形外科学教室 3広島大学原爆医学放射能研究所外科
ページ範囲:P.271 - P.276
文献購入ページに移動脊髄損傷患者にみられる異所性化骨については1918年DejerineとCeillerがpara-osteoarthropathyとして発表して以来myositisossificans circumscripta neurotica,neurogenic ossifying fibromyositisなど,多くの名称が与えられている.そしてこのような化骨は脊損にかぎらず,多発性硬化症,脊髄のmeningioma,クモ膜炎11),脊髄性小児麻痺2,7,9),破傷風16),熱傷,頭部外傷や脳卒中による片麻痺17),日本脳炎,COガス中毒などにもみられることが報告され,病理組織学的にはこれが,単なる軟部組織の石灰化ではなくて完成した骨であることが知られている.しかしこの発症機転については,まだ充分に解明されていない.
ところで現在まで異所性化骨と血清Al-P,Ca,Pなど血清成分の関連についての研究は多くなされているが,これら血清成分にあまり変動をみない1,2,3,5,7,8,11,12,16,18)という報告がほとんどで,これは,他の骨形成の旺盛な疾患たとえば,Paget病などにおける所見と趣を異にするように思われる.そこで我々は,脊損患老27名について経時的にAl-P値を計測して検討し,また87mSrによるシソチグラムを行なつたのでその結果についてもあわせて報告する.
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