icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科9巻8号

1974年08月発行

文献概要

カラーシリーズ 整形外科手術・1

上位頸椎に対する経口腔侵襲法

著者: 池田亀夫1

所属機関: 1慶応義塾大学整形外科

ページ範囲:P.636 - P.639

文献購入ページに移動
 結核,リウマチ,骨折,脱臼,腫瘍,奇形など上位頸椎疾患に対する経口腔侵襲法(transoral approach)は1947年Thomson, Negus.が咽後膿瘍の掻爬に用いたのを嚆矢とする.本法によれば環軸椎への到達は直截的,容易であり,視野は良好である。DeAndrade(1969)の推奨する胸鎖乳突筋前縁からの侵襲法は外頸動脈の重要な分枝を切断し,上喉頭神経に与える損傷が大きく,さらに視野は狭隘で良好とはいえない.
 本法成功の要点は部位的特殊性から感染と椎骨血管損傷の防止である.感染防止のために次のことを厳守する.術前に既存の齲歯,副鼻腔炎,扁桃腺炎を治療する.術前3日から口腔,鼻腔にテトラサイクリンなどのスプレー,アクロマイシントローチを投与する.手術前日は朝食のみ許可し,以後は禁食とし,含嗽を充分に励行する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら