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臨床経験
大胸筋皮下断裂の2例
著者: 姫野礼吉1 川罵真人1 佐藤護彦1 脇田吉樹1 岩淵亮1
所属機関: 1九州労災病院整形外科
ページ範囲:P.702 - P.705
文献購入ページに移動大胸筋皮下断裂は,文献的に他の筋断裂と比較して稀な疾患である,1822年,Patissierが,巨大な肉塊をフックでひつかけて持ちあげようとして大胸筋断裂を起こした肉屋の少年の症例を最初に報告してから,1973年,Bragi Gudmundssonが,レスリングの試合の最中に,対戦者から左腕をマットで捕えられ,身体を反対側に投げつけられて左大胸筋の筋腱移行部の断裂を起こした28歳のレスラーに関する症例を報告するまでに,32症例が,主にフランス,ドイツ,イギリスの文献で述べられている.日本では未だ症例報告がない,われわれの病院では,大胸筋皮下断裂の2例を経験したので,その症例を報告し,性,年齢分布,受傷機転,断裂部位,治療方針等について検討してみる.
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