文献詳細
トピックス 頭頸部がん診療の最前線—どこまでわかるか・どこまで治るか
文献概要
はじめに
頭頸部がんに対する化学療法の発展を年代順にみると,まず薬剤の面では1950年代後半のmetho—trexate (MTX),1967年のbleomycin (BLM),そして1973年のcisplatin (CDDP)があげられる。一方投与方法の面では1950年の動注化学療法(Klopp),1977年のcell kineticsに基づく多剤併用療法の開発(Price, Hill),1981年の新しい化学療法の理論に基づいたneo-adjuvant chemotherapy(Frei III)1)の導入があげられる。しかし現時点では頭頸部がんを化学療法のみで治すことは不可能に近いので,腫瘍の進展度,組織型,既治療の有無,患者の年齢,performance statusなどの因子を考慮しつつ,化学療法を他の治療方法と同時にあるいは連続的に併用しつつ,集学的治療の一環として用いるのが現実的である。したがって本稿においても頭頸部がん治療における化学療法の役割を中心に最近の進歩と今後の展望を述べてみたい。
頭頸部がんに対する化学療法の発展を年代順にみると,まず薬剤の面では1950年代後半のmetho—trexate (MTX),1967年のbleomycin (BLM),そして1973年のcisplatin (CDDP)があげられる。一方投与方法の面では1950年の動注化学療法(Klopp),1977年のcell kineticsに基づく多剤併用療法の開発(Price, Hill),1981年の新しい化学療法の理論に基づいたneo-adjuvant chemotherapy(Frei III)1)の導入があげられる。しかし現時点では頭頸部がんを化学療法のみで治すことは不可能に近いので,腫瘍の進展度,組織型,既治療の有無,患者の年齢,performance statusなどの因子を考慮しつつ,化学療法を他の治療方法と同時にあるいは連続的に併用しつつ,集学的治療の一環として用いるのが現実的である。したがって本稿においても頭頸部がん治療における化学療法の役割を中心に最近の進歩と今後の展望を述べてみたい。
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