文献詳細
原著
文献概要
I.はじめに
新生児・乳児上顎骨骨髄炎は抗生物質の発達により本疾患の典型例,あるいは重篤な症例は少なくなる傾向にある。しかしながらいったん発症すると犬歯窩や内嘴部に瘻孔を形成し,さらに上顎骨が腐骨化し高熱が持続する症例も認められる。また時に外切開法による治療後の顔面,頬部の醜形をきたす例をみる。
すなわち成長期にある新生児,乳児の顔面骨に比較的大きな外科的侵襲を加えることは,顔面骨,上顎骨,歯牙などに及ぼす影響は少なくなく永続的障害を遺す懸念があり,したがって初期診療にあたっては本症の病態,経過について熟知しておく必要があると考える1)。
新生児・乳児上顎骨骨髄炎は抗生物質の発達により本疾患の典型例,あるいは重篤な症例は少なくなる傾向にある。しかしながらいったん発症すると犬歯窩や内嘴部に瘻孔を形成し,さらに上顎骨が腐骨化し高熱が持続する症例も認められる。また時に外切開法による治療後の顔面,頬部の醜形をきたす例をみる。
すなわち成長期にある新生児,乳児の顔面骨に比較的大きな外科的侵襲を加えることは,顔面骨,上顎骨,歯牙などに及ぼす影響は少なくなく永続的障害を遺す懸念があり,したがって初期診療にあたっては本症の病態,経過について熟知しておく必要があると考える1)。
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