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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科60巻10号

1988年10月発行

文献概要

特集 ウイルス感染症 III.特殊なウイルス感染症

AIDS(acquired immunodeficiency syndrome;後天性免疫不全症候群)—耳鼻咽喉科領域の症状と治療上の注意

著者: 杉田麟也1

所属機関: 1順天堂大学浦安病院耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.919 - P.927

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はじめに
 AIDS(acquired immunodeficiency syndrome;後天性免疫不全症候群)は1981年にCenter for Disease Control(CDC)によりMorbidity,Mortality Weekly Report(MMWR)6月5日号に初めて報告された。ロスアンゼルス地区においてカリニ肺炎が半年間に5例,それもいずれも若い人に発生したことを告げる短い記事である。カリニ肺炎とはPneumocystis cariniiという胞子虫に属する原虫の一種が起こす感染性の肺炎で,臨床的には日和見感染として生ずることが多い。
 ところがこの報告が20世紀末のペスト,AIDS発見の発端となった。7月にMMWRは過去2年半の間にニューヨークで20例,カリフォルニアで6例のカポジ肉腫の患者が同性愛の男性の間から発見されたと報じた。しかもそのうちの4例はカリニ肺炎にも侵されていた。一見健康で日和見感染を許すような重篤な基礎疾患をもたない同性愛の男性であるのが共通点であった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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