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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科60巻11号

1988年11月発行

原著

体位変化により聴力変動を示した外リンパ瘻が疑われた5症例

著者: 渋谷知子1 麻生伸1 水越鉄理1

所属機関: 1富山医科薬科大学耳鼻咽喉科学教室

ページ範囲:P.995 - P.1000

文献概要

I.はじめに
 近年突発性難聴やメニエール病と診断された症例の中に,内耳窓が破裂し外リンパ液が漏出するのが原因と考えられる疾患があることが広く認識されてきており,多数の症例が検討1〜4)されている。しかし外リンパ瘻における蝸牛前庭障害はきわめて多様であり,確定診断は試験的鼓室開放によるしかないのが現状である。
 私たちは昭和60年に頭部打撲後の外リンパ瘻が疑われた症例で初めて体位変化による聴力変動を認め,手術的に外リンパ瘻を確認,閉鎖して聴力の改善をみた。このような聴力変動は1982年Fraserら5)が報告しているが,この経験以後当科では外リンパ瘻の疑いのある症例に対し,体位を変えて聴力検査を施行している。今回はその中でも著明な変動を示した5症例の結果を中心に,外リンパ瘻について若干の考察を加えて報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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