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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科60巻11号

1988年11月発行

文献概要

鏡下咡語

株式会社エフエム山陰発足を顧みて

著者: 坂口幸雄1

所属機関: 1サンマリタン耳鼻咽喉科医院

ページ範囲:P.1030 - P.1031

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 山陰(島根・鳥取両県に1局)初の民間FM放送局として昭和61年10月に「エフエム山陰」が開局しました。従来,中波放送は夜間になると遠距離まで電波が届く特性があり,このため島根県西部では特に外国電波による雑音・混信という障害があります。FM放送はその障害も全くなく,スピーカーから流れる音は左右多少の異なったステレオ放送です。そのために番組のほとんどは音楽を生かした番組になっています。音楽もあえてジャンル別に分けるとすると,クラシック,ポピュラー,ロック,歌謡曲などに分けられ,それぞれの歌手,演奏者の持ち味を充分に生かしてゆっくりと楽しく聴くことができ,心の安定や情緒を養うために求められるのが特長ということができます。聴取者にはもちろん音楽に対する好みがあり,放送聴取時間への変化も多種多様になってきていますが,今一度,FM山陰から流れるたくさんの音楽を耳にして,歌手,演奏者の心を感じとってもらえればと思います。そこには必ず,日本人の唄ならば日本人の心が,外国の唄ならば人類として過去の生きてきた道のり,また生きる方法の変化を感じとることができると思います。
 「あなたの耳は今,健康ですか?」という質問をしてみたいと思います。耳に関する知識は普通の方はあまり持っていないのが現状のような気がします。風呂で耳を洗う。耳垢を耳掻きでホジクリだす。でも汚い話ですが,多少耳垢が溜まっていても気づかないでいる時もあります。しかし反面,「耳学問」という言葉があります。われわれが頭の中に情報を組み入れる一つの手段として,「耳」は重要な役目を担っているといえます。FM放送は繊細な音を送り続けられる媒体ですから,健康な耳を通して,「耳学問」にとどまらず「耳で音楽の心」を感じとってもらえればと思います。それが私の本業とFM放送との関わり合いであると思っていただいても結構です。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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