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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科60巻11号

1988年11月発行

私は知りたい

免疫反応

著者: 矢田純一1

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部小児科学教室

ページ範囲:P.1033 - P.1035

文献概要

I.免疫反応とは
 免疫系の生体における役割分担は,生体を構成している組織(自己)をその正常な機能を損う異質な存在(非自己)から護って機能を全うさせるということである。生体を護るべき相手として微生物が最も重要であることはいうまでもないが,その他の異物,他の個体の細胞や組織,生体内に生じた老廃組織,変異細胞なども排除すべき不都合な存在として対象となる。
 そのような役割を遂行するためには二つの仕事をしなければならない。まず生体にとって異質であり排除すべき相手(非自己)と保全すべき自らの生体組織(自己)とを明確に区別することである。これを"認識"という。第二は非自己を生体から排除することである。すなわち非自己を認識して,その排除に必要な細胞や物質を増殖させたり作り出したりして準備をととのえ,それによって次に実際に非自己を取り除くという作業をするのである。この二つのステップのうち,前者のほうを応答相(responder phase),後者を効果相(effector phase)という。この二つを合わせて免疫反応というが,前者を免疫反応の求心経路(af—ferent limb),後者を遠心経路(efferent limb)といういい方もする。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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