文献詳細
医療ガイドライン
文献概要
はじめに
内耳窓破裂症は従来から気圧外傷,頭部外傷によって起こる病態であることが知られていた。1968年Simmons1)が突発性難聴のなかにも,なんら重大な外傷の既往のない症例でも内耳窓が破裂し,外リンパ漏が存在することを報告した。それ以来,従来は突発性難聴,変動性感音難聴,メニエール病,進行性感音難聴,原因不明めまい,として扱われていた症例の中にもこの疾患が存在するとの報告2〜8)が多くなされている。しかしこの疾患には特徴的な症状がなく,積極的に本疾患が存在することを念頭に置かない限り,他の疾患として保存的に取り扱うことが多いものと考えられる。またその手術治療も試験的鼓室開放術を行って初めて,外リンパ液の漏出することが判明する例がほとんどであり,いまだその手術適応については試行錯誤的な面が少なくない。
しかし本症に対する手術成績は従来までの保存的治療では難治であったものが,手術治療を行うことで完治または改善させることができるといった点で,積極的に取り組むべき問題と考えられる。
内耳窓破裂症は従来から気圧外傷,頭部外傷によって起こる病態であることが知られていた。1968年Simmons1)が突発性難聴のなかにも,なんら重大な外傷の既往のない症例でも内耳窓が破裂し,外リンパ漏が存在することを報告した。それ以来,従来は突発性難聴,変動性感音難聴,メニエール病,進行性感音難聴,原因不明めまい,として扱われていた症例の中にもこの疾患が存在するとの報告2〜8)が多くなされている。しかしこの疾患には特徴的な症状がなく,積極的に本疾患が存在することを念頭に置かない限り,他の疾患として保存的に取り扱うことが多いものと考えられる。またその手術治療も試験的鼓室開放術を行って初めて,外リンパ液の漏出することが判明する例がほとんどであり,いまだその手術適応については試行錯誤的な面が少なくない。
しかし本症に対する手術成績は従来までの保存的治療では難治であったものが,手術治療を行うことで完治または改善させることができるといった点で,積極的に取り組むべき問題と考えられる。
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