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原著
外耳道真珠腫手術における耳後部皮下茎皮弁の応用
著者: 山岨達也1 庄司稔2 小林武夫3
所属機関: 1日立製作所日立総合病院耳鼻咽喉科 2武蔵野赤十字病院耳鼻咽喉科 3JR東京総合病院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.1079 - P.1083
文献購入ページに移動外耳道真珠腫の報告は1850年のToynbee1)が嚆失とされる。本邦では骨部外耳道に拡大があり耳垢の付着や栓塞を伴うものを外耳道真珠腫としている2)が,欧米ではこれをkeratosis obturans (以後KOと略す)とexternal auditory canal choles—teatoma (以後EACCと略す)に区別3,4)している。KOは保存的治療が勧められている3)が,EACCでは手術的治療を勧めるものが多く,とくに経外耳道的に病変が十分明視できず慢性の疼痛が持続するような骨破壊を伴う進展例が適応5)とされる。手術の要点は真珠腫の除去,炎症性骨の郭清,欠損部の再建6)であり,とくに欠損部が大きい場合その再建に工夫が必要である。今回われわれは耳後部皮膚を皮下茎皮弁として外耳道再建に用い,若干の知見を得たので報告する。
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