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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科60巻12号

1988年12月発行

原著

突発性難聴の予後判定—温度眼振検査成績を指標とする検討

著者: 平出文久1 三好俊二1 椿博幸1 石田孝1

所属機関: 1自治医科大学耳鼻咽喉科学教室

ページ範囲:P.1085 - P.1090

文献概要

I.はじめに
 突発性難聴(以下突難と略す)は突発的に高度の感音難聴に陥った病態であり,鼻疾患における鼻出血と同じように症状が病名となっている代表的疾患の一つである。突発的に内耳に高度の器質的あるいは機能的障害を起こさせる原因にはいろいろある。野村1)は突難をその推察しうる病因から,①infectious sudden deafness,②vascular sud—den deafness,③metabolic sudden deafness,④mechanical sudden deafnessに分類しているが,現在はこのような内耳障害を起こさしめた原因が不明である場合のみ,特別に突難として取り扱われている。しかしどのような疾患でも必ず病因が存在するので,突難の病因が解明されれば,この病名もいつかは消えゆく運命にあるものと思われる。突難は病因の多様性にもかかわらず,その症状の発現様式,特徴的な病態や回復性などから,ほかの原因不明の感音難聴などと比較するときわめて特異的な興味ある疾患である。今回突難の予後判定の指標として,温度眼振検査による半規管の機能状態を取り上げ,聴力の回復との関係を検討してみた。また患者の訴えためまいの有無と聴力の回復度についても,同様に検討を加えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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