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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科60巻12号

1988年12月発行

原著

松果体腫瘍術後,聴覚障害,下方注視麻痺,輻輳眼振を呈した中脳障害の1例

著者: 山田勝士1 加我君孝1 進藤美津子1 田村晃2 佐野圭司2

所属機関: 1帝京大学医学部耳鼻咽喉科学教室 2帝京大学医学部脳神経外科学教室

ページ範囲:P.1101 - P.1107

文献概要

I.はじめに
 松果体腫瘍はわが国では全脳腫瘍の3〜4%と諸外国に比べて多く,若年者に好発する脳腫瘍の一つである。松果体はその存在する解剖学的位置のため,ここに腫瘍が生じると容易に中脳障害を惹き起こす。松果体腫瘍では稀に聴覚障害を呈することが知られており,実際に報告1〜5)があるが,その機序は明らかではない。中脳障害の神経症候は垂直性眼球運動系の障害として生じ,上方注視麻痺が下方注視麻痺よりも頻度が高い。また輻輳眼振もその神経症候の一つである6)。われわれは松果体腫瘍摘出術後,中枢性聴覚障害,下方注視麻痺および輻輳眼振を合併した1例を経験したので,MRIによる画像診断学的および神経耳科学的に検討し,報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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