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第19回国際オージオロジー学会は1988年6月5日から9日までの5日間,イスラエル共和国の首都エルサレム市で開かれた。イスラエルといい,またエルサレムというと,われわれには常識の枠を外れたいくつかの際立った印象がある。たとえば,ユダヤ人のこと,ユダヤ人の歴史のこと,イエス・キリストのこと,ナチスによるユダヤ人虐殺のこと,中束戦争のこと,パレスチナ難民のこと,などなどである。しかし少なくとも私にとっては,これらの知識はあくまでもきわめて断片的なものであって,それらのいろいろの知識と現実にあるイスラエルという国とがどのようにかかわっているのか,全体的なイメージとしてはピントの合った像を結ばなかった。
今回,国際オージオロジー学会出席のために実際に5日間をエルサレムで過してみて,ようやく今まで持っていたいくつかの常識を越えた断片的な知識が一つの像を結ぶと同時に,イスラエルという国,その現実,またその歴史,そのものがわれわれの常識を越えた特別なものであるということに気がついたのである。それは極東の島国という恵まれた環境に生まれ育ったわれわれ日本人にとってはきわめて特異なものと感ぜられるのであるが,しかし同時に人間の社会,人間の歴史としての基本的な構造はわれわれと共通するところがあるのだということがわかって,逆に特別な親近感をすら持つことができたのは嬉しいことであった。
今回,国際オージオロジー学会出席のために実際に5日間をエルサレムで過してみて,ようやく今まで持っていたいくつかの常識を越えた断片的な知識が一つの像を結ぶと同時に,イスラエルという国,その現実,またその歴史,そのものがわれわれの常識を越えた特別なものであるということに気がついたのである。それは極東の島国という恵まれた環境に生まれ育ったわれわれ日本人にとってはきわめて特異なものと感ぜられるのであるが,しかし同時に人間の社会,人間の歴史としての基本的な構造はわれわれと共通するところがあるのだということがわかって,逆に特別な親近感をすら持つことができたのは嬉しいことであった。
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