文献詳細
原著
文献概要
I.はじめに
幼児の頸部腫瘤を主訴とする疾患では鰓性嚢胞,甲状舌管嚢胞,嚢胞状リンパ管腫などの発生頻度が高いが,非常にまれなものとして胸腺組織が頸部に腫瘤を形成することがある。著者らは1歳2か月の女児に頸部腫瘤を認め手術の結果胸腺組織と判明した症例を経験したので,ここに報告する。
これまで頸部異所性胸腺が術前に診断された報告例は頸窩部に発生し胸腔内と連続していたものだけであり,本疾患は術前の診断が困難である。充実型の頸部異所件胸腺が術前に診断できれば摘出の必要はなく,胸腺機能は保存できる。この理由でどの程度まで他の頸部腫瘤との鑑別が可能であるかを検討した。
幼児の頸部腫瘤を主訴とする疾患では鰓性嚢胞,甲状舌管嚢胞,嚢胞状リンパ管腫などの発生頻度が高いが,非常にまれなものとして胸腺組織が頸部に腫瘤を形成することがある。著者らは1歳2か月の女児に頸部腫瘤を認め手術の結果胸腺組織と判明した症例を経験したので,ここに報告する。
これまで頸部異所性胸腺が術前に診断された報告例は頸窩部に発生し胸腔内と連続していたものだけであり,本疾患は術前の診断が困難である。充実型の頸部異所件胸腺が術前に診断できれば摘出の必要はなく,胸腺機能は保存できる。この理由でどの程度まで他の頸部腫瘤との鑑別が可能であるかを検討した。
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