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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科60巻3号

1988年03月発行

原著

頸部異所性胸腺の1例

著者: 井上美知子1 井上都子1 安部治彦1

所属機関: 1東京都立広尾病院耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.247 - P.251

文献概要

I.はじめに
 幼児の頸部腫瘤を主訴とする疾患では鰓性嚢胞,甲状舌管嚢胞,嚢胞状リンパ管腫などの発生頻度が高いが,非常にまれなものとして胸腺組織が頸部に腫瘤を形成することがある。著者らは1歳2か月の女児に頸部腫瘤を認め手術の結果胸腺組織と判明した症例を経験したので,ここに報告する。
 これまで頸部異所性胸腺が術前に診断された報告例は頸窩部に発生し胸腔内と連続していたものだけであり,本疾患は術前の診断が困難である。充実型の頸部異所件胸腺が術前に診断できれば摘出の必要はなく,胸腺機能は保存できる。この理由でどの程度まで他の頸部腫瘤との鑑別が可能であるかを検討した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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