文献詳細
原著
頸部リンパ節転移例に対する超音波断層診断の有用性—頸動脈との関連性を中心に
著者: 中村光七郎1 木谷伸治1 丘村煕1
所属機関: 1愛媛大学医学部耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.377 - P.380
文献概要
超音波断層検査は耳鼻咽喉科領域,とくに頭頸部腫瘍の画像診断として従来から利用1〜3)されてきた。最近エレクトロニクスの進歩に伴い,グレースケール方式により階調性に富んだ画像が得られるようになったことや,電子リニア走査方式により瞬時に断層像を観察できるようになったことで,ますます手軽に臨床応用されるようになってきた。
超音波断層検査では組織学的診断をすることは不可能であるにしても,容易に腫瘍の性状を把握できる点,任意の断層面が得られ管腔構造の観察に適している点は捨てがたい。また頸動脈壁が管腔壁として十分に厚く,他組織と比べてより強いエコー源である4)ことを考えると,頸部腫瘍と頸動脈との関係をみるには優れた方法と思われる。
掲載誌情報