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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科60巻5号

1988年05月発行

原著

Frey症候群の1治験例

著者: 窪川志功1 山本香列1

所属機関: 1信州大学医学部耳鼻咽喉科学教室

ページ範囲:P.411 - P.414

文献概要

I.はじめに
 Frey症候群は味覚刺激にさいし耳下腺部の皮膚に発汗,発赤,疼痛をみるものである。原因の多くは耳下腺への外科的操作によるものであり,耳下腺手術後の不快な合併症の一つである。発症機構については神経過誤支配説が現在最も支持を得ている。すなわち唾液腺の分泌神経である副交感神経が手術時に切断され,その再生時に誤って近傍の汗腺や皮膚の微細血管を支配するという説1)である。治療法では神経過誤支配説等の推定される成因にのっとり考按された種々の方法が報告されているが,難治であり確実な方法がないのが現状である。今回われわれは耳下腺良性腫瘍摘出後に発症した1症例に対し,鼓室神経切断術と大腿筋膜皮下挿入術を併用し,良好な成績を収めたのでここに報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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