文献詳細
原著
文献概要
I.はじめに
鼻副鼻腔真菌症は単純X線検査にて片側性の副鼻腔陰影をみつけたさい,腫瘍,歯性上顎洞炎とともに鑑別すべき疾患とされている。しかし臨床の場においては比較的頻度が少ないこと,予後良好なことなどから,さほど重要視されていないのが現状であろう。しかるになかにはrhinocerebral mucormycosisのような致死率の高い病型もあり,注意が必要である。われわれは偶然に発見された節骨洞に限局する真菌症と,上顎腫瘍が疑われた真菌症の2症例を経験した。われわれの2例も含め本邦における115例について統計的考察を行ったので,症例提示とともにあわせて報告する。
鼻副鼻腔真菌症は単純X線検査にて片側性の副鼻腔陰影をみつけたさい,腫瘍,歯性上顎洞炎とともに鑑別すべき疾患とされている。しかし臨床の場においては比較的頻度が少ないこと,予後良好なことなどから,さほど重要視されていないのが現状であろう。しかるになかにはrhinocerebral mucormycosisのような致死率の高い病型もあり,注意が必要である。われわれは偶然に発見された節骨洞に限局する真菌症と,上顎腫瘍が疑われた真菌症の2症例を経験した。われわれの2例も含め本邦における115例について統計的考察を行ったので,症例提示とともにあわせて報告する。
掲載誌情報