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原著
亜急性甲状腺炎における超音波検査の意義
著者: 山田弘之1 矢野原邦生1 宮本良生2
所属機関: 1山田赤十字病院耳鼻咽喉科 2山田赤十字病院放射線科
ページ範囲:P.603 - P.607
文献購入ページに移動亜急性甲状腺炎は甲状腺炎症性疾患の一つであり日常臨床において時折経験する疾患ではあるが,内科的治療が行われるためわれわれ耳鼻咽喉科医が遭遇する機会は意外と少ない。
本症は30〜40歳代の女性に多く,上気道感染に続発した前頸部の1疼痛,腫脹が初発症状であることが多い。急性期にはしばしば甲状腺機能亢進症状を呈し,血沈の著明亢進のほか血清サイロキシン(T4),血清蛋白結合ヨード(PBI),サイログロブリン値の上昇などの臨床検査値の変化を認める、,このほか123Iあるいは131I摂取率の低下も本症の確定診断の助けとなることがある。本症は発症後急性炎症症状の消退を認め,検査値の異常も経過を追うに従い正常化する。
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