文献詳細
文献概要
原著
両側内耳道の著明拡大を伴ったperilymph gusherの1症例
著者: 海江田純彦1 中島成人1 隈上秀伯1
所属機関: 1長崎大学医学部附属病院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.613 - P.617
文献購入ページに移動I.はじめに
perilymph gusherはアブミ骨手術のさいにみられる異常であり,クモ膜下腔と内耳リンパ腔の間に広い交通路が存在するためにアブミ骨底板の開窓とともに多量の外リンパが勢いよく流出する状態をいうが,術前にその発生を予測することは困難と考えられている。今回われわれは両側内耳道の著明拡大を伴う家族性難聴で,鼓室試験開放のさいアブミ骨へのわずかな操作でperilymphgusherに見舞われた症例を経験した。両側内耳道拡大に両側難聴を伴う例はきわめて稀であり,珍しい症例として報告するとともに若干の文献的考察を加えてみた。
perilymph gusherはアブミ骨手術のさいにみられる異常であり,クモ膜下腔と内耳リンパ腔の間に広い交通路が存在するためにアブミ骨底板の開窓とともに多量の外リンパが勢いよく流出する状態をいうが,術前にその発生を予測することは困難と考えられている。今回われわれは両側内耳道の著明拡大を伴う家族性難聴で,鼓室試験開放のさいアブミ骨へのわずかな操作でperilymphgusherに見舞われた症例を経験した。両側内耳道拡大に両側難聴を伴う例はきわめて稀であり,珍しい症例として報告するとともに若干の文献的考察を加えてみた。
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