文献詳細
文献概要
原著
下咽頭の食物異物
著者: 伊藤裕之1
所属機関: 1神奈川リハビリテーション病院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.677 - P.680
文献購入ページに移動I.はじめに
気管や食道の異物は医療技術の進歩の著しい今日でも時には生命にかかわることがあり,数多く報告されている。これに対して,気管と食道の分岐部直上にあたる下咽頭の異物には魚骨のような尖鋭な異物が多く,梨状窩,舌根部,喉頭蓋谷などにしばしば認められるが,臨床的には危険な事態を惹き起こすことは稀であるためか,下咽頭異物は気管や食道の異物に比べると臨床では決して少なくない1,2)にもかかわらずその報告例は少ない3〜11)。
最近われわれは下咽頭異物としては比較的稀と思われた下咽頭の食片異物を3例経験したので,若干の考察を加えて報告する。
気管や食道の異物は医療技術の進歩の著しい今日でも時には生命にかかわることがあり,数多く報告されている。これに対して,気管と食道の分岐部直上にあたる下咽頭の異物には魚骨のような尖鋭な異物が多く,梨状窩,舌根部,喉頭蓋谷などにしばしば認められるが,臨床的には危険な事態を惹き起こすことは稀であるためか,下咽頭異物は気管や食道の異物に比べると臨床では決して少なくない1,2)にもかかわらずその報告例は少ない3〜11)。
最近われわれは下咽頭異物としては比較的稀と思われた下咽頭の食片異物を3例経験したので,若干の考察を加えて報告する。
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