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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科60巻9号

1988年09月発行

文献概要

医療ガイドライン

電子内視鏡の現状

著者: 丘村煕1 稲木匠子1 森敏裕1

所属機関: 1愛媛大学医学部耳鼻咽喉科学教室

ページ範囲:P.773 - P.777

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I.はじめに
 電子内視鏡(electronic endoscope)とは先端部に超小型テレビカメラが組み込まれた新しい内視鏡で,硬性鏡,ファイバースコープにつぐ第三世代の内視鏡といわれている。電子内視鏡は1983年米国のWelch Allyn社からVideo Endoscopeの名称のもとに初めて紹介され,1985年には国産品が登場している。従来のファイバースコープはファイバー・バンドルにより画像を光のままで伝送するものであるが,電子内視鏡では先端部に内蔵された"新しい電子の眼"といわれる固体撮像素子で画像を電気信号に変換して伝送し,テレビモニター上に画像を再現するもので,従来の内視鏡とは全く異なっている。電子内視鏡は主に消化管用として開発されてきたが,すでに区域支まで観察できる気管支用も試作されている。
 この新しい電子内視鏡は登場してまだ5年にすぎないが,高解像力,高画質な画像が得られること,種々の画像処理や画像ファイリングが容易なことなどの理由により,内視鏡診断学に新しい時代を開くものとして期待されている。本稿では電子内視鏡の原理,特徴,問題点などについて,ファイバースコープと対比しながら述べることにする。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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