文献詳細
原著
舌癌を伴ったCole-Engman症候群の1症例
著者: 小川晃弘1 宇野欽哉1 小池聰之1 岡部健一2
所属機関: 1四国がんセンター耳鼻咽喉科 2四国がんセンター内科
ページ範囲:P.65 - P.69
文献概要
Cole-Engman症候群は頸部,躯幹上部,四肢の網状色素沈着,爪の萎縮・変形および粘膜白斑症を主症状とする先天性外胚葉形成異常のきわめて稀な疾患である。本疾患の性格上その報告も皮膚科領域に多く,耳鼻咽喉科における本疾患の報告は1982年に仲田ら1)が1症例を報告したもののみである。
このたびわれわれは舌癌を当科で精査,加療中に,その特異な皮膚病変と血液異常,ならびに家族歴より全身性の遺伝性疾患を疑い,最終的にCole-Engman症候群と診断しえた1症例を経験した。その臨床経過を報告するとともに,若干の考察を加えた。
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