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特集 耳鼻咽喉・頭頸部領域の痛み—その機序と臨床 II.癌性疼痛 症状の経過と痛み
上咽頭癌
著者: 澤木修二1
所属機関: 1横浜市立大学医学部耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.809 - P.812
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上咽頭癌は日本人の罹患は少なく,中国南部の住民に多発する疫学的特性をもっている。患者の免疫能が低下し,頸部リンパ節や臓器に転移し易い特殊な病態を示す。それだけに診断および治療に当り,戸惑いが生じがちである。この疾患に伴うさまざまな疼痛の原因を理解し,それをいかに的確に対応するかについて解説する。
上咽頭は,この部に腫瘍が生じても局所の疼痛はほとんど生じない。したがってこの症状が診断の手がかりになることはない。腫瘍が頭蓋内に進展して頭痛が起き,また脳神経症状として三叉神経痛が現おれる。このほか転移に伴う各臓器に関連した疼痛もある。本稿ではこれらの疼痛を少しでも緩寛させるため,原因を見極める方法と治療法についてできるだけ具体的にのべる。
上咽頭癌は日本人の罹患は少なく,中国南部の住民に多発する疫学的特性をもっている。患者の免疫能が低下し,頸部リンパ節や臓器に転移し易い特殊な病態を示す。それだけに診断および治療に当り,戸惑いが生じがちである。この疾患に伴うさまざまな疼痛の原因を理解し,それをいかに的確に対応するかについて解説する。
上咽頭は,この部に腫瘍が生じても局所の疼痛はほとんど生じない。したがってこの症状が診断の手がかりになることはない。腫瘍が頭蓋内に進展して頭痛が起き,また脳神経症状として三叉神経痛が現おれる。このほか転移に伴う各臓器に関連した疼痛もある。本稿ではこれらの疼痛を少しでも緩寛させるため,原因を見極める方法と治療法についてできるだけ具体的にのべる。
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