icon fsr

文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科61巻10号

1989年10月発行

特集 耳鼻咽喉・頭頸部領域の痛み—その機序と臨床

III.非癌性疼痛 炎症性疼痛の臨床特性と治療

Ramsay Hunt症候群に伴う疼痛について

著者: 小池吉郎1 戸島均

所属機関: 1山形大学医学部耳鼻咽喉科学教室

ページ範囲:P.929 - P.932

文献概要

はじめに
 Ramsay Hunt症候群(以下,Hunt症候群)は耳介帯状疱疹,末梢性顔面神経麻痺,第8脳神経症状(めまい,難聴耳鳴)の3主徴を呈する症候群で,顔面神経膝状神経節の水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)の再活性化が原因とされている。しかしこの3主徴のうち特に第8脳神経症状が認められない場合でも,Hunt症候群の不全型とされ,同じ範疇に組み入れられている。さらに原因不明の特発性末梢性顔面神経麻痺(Bell麻痺)のなかには帯状疱疹virusの抗体価が上昇する症例があるが,これはzoster sine herpete(ZSH)と呼び,Hunt症候群には含めていない。
 Hunt症候群とは帯状疱疹と顔面神経麻痺の合併というのが一般的な認識であるが,今後は診断学の進歩に伴い帯状疱疹ウイルス感染症としての第7,8脳神経障害を総称するようになるのではないかと考えている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら