文献詳細
トピックス 耳鳴
文献概要
はじめに
耳鳴は疾患ではなく聴覚系を中心とした障害によって現われた症状の一つと理解されている。聴覚系は非常に複雑な構造をもち,数多くの部分から構成されており,そのいずれの部位の障害によっても耳鳴は発生し得るものと考えられている。
しかし耳鳴を訴えている症例でも耳鳴の性状は多種多様で,耳鳴がどの部位から発生しているのか,その病態が如何なるものかを確実に捉えることは困難である。例えば慢性あるいは急性の音響曝露,あるいは耳毒性をもつ薬剤の投与後にしばしば耳鳴を訴える例を経験することは良く知られている事実である。しかしこれらの外的な因子が耳鳴の原因となることは,臨床例が提示され,その臨床的経過,所見を知り得ることと,同様の外的因子が加えられた実験動物等による内耳の形態の変化,電気生理学的所見等から耳鳴の病態を推測することに過ぎない。
耳鳴は疾患ではなく聴覚系を中心とした障害によって現われた症状の一つと理解されている。聴覚系は非常に複雑な構造をもち,数多くの部分から構成されており,そのいずれの部位の障害によっても耳鳴は発生し得るものと考えられている。
しかし耳鳴を訴えている症例でも耳鳴の性状は多種多様で,耳鳴がどの部位から発生しているのか,その病態が如何なるものかを確実に捉えることは困難である。例えば慢性あるいは急性の音響曝露,あるいは耳毒性をもつ薬剤の投与後にしばしば耳鳴を訴える例を経験することは良く知られている事実である。しかしこれらの外的な因子が耳鳴の原因となることは,臨床例が提示され,その臨床的経過,所見を知り得ることと,同様の外的因子が加えられた実験動物等による内耳の形態の変化,電気生理学的所見等から耳鳴の病態を推測することに過ぎない。
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