icon fsr

文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科61巻11号

1989年11月発行

トピックス 耳鳴

耳鳴の病因・成因

著者: 村井和夫1

所属機関: 1岩手医科大学耳鼻咽喉科学教室

ページ範囲:P.977 - P.982

文献概要

はじめに
 耳鳴は疾患ではなく聴覚系を中心とした障害によって現われた症状の一つと理解されている。聴覚系は非常に複雑な構造をもち,数多くの部分から構成されており,そのいずれの部位の障害によっても耳鳴は発生し得るものと考えられている。
 しかし耳鳴を訴えている症例でも耳鳴の性状は多種多様で,耳鳴がどの部位から発生しているのか,その病態が如何なるものかを確実に捉えることは困難である。例えば慢性あるいは急性の音響曝露,あるいは耳毒性をもつ薬剤の投与後にしばしば耳鳴を訴える例を経験することは良く知られている事実である。しかしこれらの外的な因子が耳鳴の原因となることは,臨床例が提示され,その臨床的経過,所見を知り得ることと,同様の外的因子が加えられた実験動物等による内耳の形態の変化,電気生理学的所見等から耳鳴の病態を推測することに過ぎない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら