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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科61巻11号

1989年11月発行

文献概要

原著

頭蓋骨を広範に破壊した悪性線維性組織球腫の1例

著者: 中澤操1 花島隆敏1 山根仁1 菅野勇2

所属機関: 1帝京大学医学部耳鼻咽喉科市原病院 2帝京大学病理部

ページ範囲:P.1003 - P.1007

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はじめに
 悪性線維性組織球腫(malignant fibrous histio—cytoma, MFH)は,組織球由来の細胞が繊維芽細胞に変化する腫瘍で,多核巨細胞,炎症性細胞等を伴い,極めて多彩な像を呈するものである1)。その病理学的診断は必ずしも容易ではないが,いわゆる花籠状2)(storiform pattern)を呈することを特徴としている。MFHは軟部組織に発生する成人の悪性腫瘍の中ではもっとも多く3),ほぼ全身に発生することがわかっているが,近年骨由来のMFHも報告されている。
 他の悪性腫瘍と同様に,臨床像は局所に腫瘤を形成しつつ周囲を破壊,増殖していくものであるが,頭頸部MFHの場合,局所再発,遠隔転移の頻度が高く,予後不良である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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