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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科61巻2号

1989年02月発行

原著

コルメラ固定の一工夫—つち骨柄と鼓膜の間にコルメラの一端を挿入して固定する方法

著者: 山岨達也1

所属機関: 1日立製作所日立総合病院耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.107 - P.112

文献概要

I.緒言
 Wullstein1)により提唱された鼓室形成術はさまざまな進歩を遂げてきた。しかし術後の聴力改善には種々の要因が関与し,思ったほど聴力改善の得られないことがある。この原因には患者側の要因,すなわち手術の既往,病変の状態,耳管機能,年齢などとともに,どのような術式を選択するかによるのも大であろう。耳小骨連鎖にのみ限れば,耳小骨連鎖を保存するI型が改善度または改善率においてIII型変法,IV型変法より優れている2)。これはI型症例においては病変が軽いということだけではなく,III型変法,IV型変法におけるコルメラの安定性にも問題があるためと推察される。
 今回耳珠軟骨,耳介軟骨,鼻中隔保存軟骨をコルメラとして用い,その一端をつち骨柄と鼓膜との間に挿入して安定させる方法を試み,良好な成績を得たので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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